障がいのある方やその家族が、地域の中で安心して、
より豊かな生活が送れるよう、共に考え、共に行動します。
精神障がいは特別なものではありません。いつ誰にでも起こりえる病気なのです。
日本の国民で一生の間にうつ病、不安症など何らかの精神疾患にかかる人の割合は18%と言われています。これは先進国では少ない方で、3割を超える国も少なくありません。また、この中には統合失調症などの精神病性疾患や認知症は含まれていません。従って、控えめに見積もって、「5人に1人」は一生の間に何らかの精神疾患にかかると考えられます。5人に1人というと、 ご家族や親族、友人など身近な存在の人々がそれらに罹患しているということです。決して特別なものではない、身近なものであるという事をまず認識して頂きたいのです。
資料参考:学校保健 特集「精神保健・精神疾患を学ぶ」東京大学大学院 教育学研究科健康教育学分野 教授 佐々木 司 先生
厚生労働省は2011年7月、よく知られている「4大疾病」(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病)に新たに精神疾患を加え、「5大疾病」としました。その中で、認知症を含む患者数は「精神疾患」が一番多く、糖尿病と並んで最もメジャーとなっています。
私たちは、精神障がい者の家族会「近江湖西会」が前身となり就業継続支援B型事業所や支援センターなどを運営する法人です。同じ境遇の方々に少しでもお力添えできればと思っております。
理事長挨拶
近江湖西会のホームページにお越しいただきありがとうございます。代表の貴瀬です。
「精神障がい」というと、実情を周知されていない方々にとっては、何か理解しがたい「かけ離れた存在」のように思われがちですが、全世界でほぼ一定の割合で発症しており、脳の伝達物質やストレスへの耐性などの原因によって、誰もがかかりうる病気なのです。
本人や家族の驚き、絶望感
統合失調症などの主な精神疾患は、当たり前の人生の途上、特に思春期から青年期に発症する率が高く、わが家でも、誰より活発で健康で人気者だった弟が、高校時代、突然人が変わったようになり、病気についての予備知識が乏しい中、閉鎖病棟や異常行動の恐ろしいイメージばかりで、親、若い私たち兄弟、何より本人の驚きとショックは計り知れないものでした。不安と興奮にさいなまれる本人は最もエネルギッシュな時期である一方、両親はすでに高齢であることが多く、親だけで抱え込むのは困難です。急性期の真っ暗な恐怖感・孤独感・混乱は大変なもので、関係が深いばかりに、愛憎が絡んで不適切な感情的声掛けで病状を悪化させたり、閉鎖的な空間で傷つけ合うこともしばしばです。同じ苦しみを知る私たちが、立ち上がる理由がここにあります。
急性期の支援、早期の治療が必要です。
世界共通の発症率があり、こんなにもメジャーなのに、また、すでに副作用の少ない有効な薬が開発され、早期に医療にかかれば軽傷で済み、完治する人、服薬だけで不通に暮らせる人も当たり前にいるのに、社会的な周知やサポート体制が生活地域にない(隔離・入院治療中心)ために、強い興奮や幻聴(本人は本気で現実と感じてしまっている)など急性症状への初期対応が遅れ、病状が悪化、問題行動が起ってから表面化。本人・家族を責めるマスコミの扱いもひどい場合があります。本当のことを知らないことがそうさせるのです。
「リカバリー」という合言葉
今、世界中で標語にされている言葉があります。「リカバリー」という合言葉です。わが家でもそうでしたが、本人にとって、「もとの健康な自分に戻りたい」という願いは何よりかえがたい、本当に切なるものです。その根源的な思いが「薬に頼りたくない!」「もとどおりに社会復帰したい!」と無理して転んでしまう原因にもなりました。
リカバリーは、発症前に戻ろうとするのではなく、病気と付き合いながら、今の自分が生かされる新しい人生、自分の強みを発揮でき、周りに小さな喜びを与えるような、自分らしい生き方を、支援者と共に創り上げていこう、というものです。当事者の兄弟として出会ったんだから、そんなお手伝いができたらな、と考えています。
つながりの深い地域だからできること
今、私たちは、家族会活動や、働く場の提供、総合的な生活支援センターの設立などを通し、小さな活動を開始しています。諸外国の様に、精神障がいがあっても、安心して暮らせる地域づくりに向け、たくさんの人の協力が必要です。
湖西地域は、古代では先進地である大陸への通路にあたり、進んだ地域でしたが、近年は時に「裏滋賀」などと揶揄され、都会と言えないこの滋賀の中でも、インフラ整備がいつも最後に回ってくる地でもあります。
しかし、「オープンダイアログ」という「対話」を中心とした最先端の治療法がフィンランド北部の「最果ての地」で始まったように、つながりの深い地域(いなか)だからできる実践があるように思います。そういう希望をもって、一歩ずつ歩んでいきたいと思います。
機関誌を発行しております
近江湖西会では定期的に機関誌の発行を行い、ご家族に情報の共有を行っております。
各種研修やイベントなどの情報もございますのでご興味のある方はお問い合わせください。
虹の村よりあい
提携法人の虹の村よりあいでは、グループホーム事業を行っております。
虹の村よりあい
法人概要
法人名 | NPO法人近江湖西会 |
所在地 | 〒520-1522 滋賀県高島市新旭町新庄487-3 |
電話番号 | 0740-20-1144 |
代表理事 | 貴瀬 朗 |
事業内容 | 障害福祉サービス事業、地域生活支援事業、障害福祉関係事業、その他法人の目的に沿った事業。 |